カジノゲームと暗号資産（仮想通貨）投資、一見すると異なる分野のように思えますが、実は多くの共通点があります。
実際に、近年は仮想通貨の次に流行るものとして、欧米をはじめとするオンラインカジノ運営会社が発行した独自トークンを活用して遊べるカジノゲームが登場。暗号資産とカジノゲームを融合した取り組みが増えつつあります。
一方で、それぞれの報酬形態や特有のリスクが伴うため、その違いも見逃せません。本記事では、カジノゲームと暗号資産投資の類似点と相違点を深掘りし、解説していきます。
リスクとリターンの考え方
カジノゲームも暗号資産投資も、リスクを取ることで報酬を得る行為であるという点で類似しています。カジノゲームでは、プレイヤーは賭け金を失うリスクを負いながら、大きな賞金を狙います。そして、暗号資産投資も同様にボラティリティが大きいため、投資した資産の価値が急激に上下する可能性があります。
一方で、リスクの性質は異なるといえます。カジノは多くの場合、結果が運に依存します。例えば、ルーレットやスロットマシンでは、プレイヤーが結果に影響を与える余地はほとんどなくプレイヤー側でコントロールできるのは主にベットする場所やベット額ですが、暗号資産投資の場合は、価格の変動が市場の需要と供給、規制の変更、技術革新など投資家側の判断による内的要因だけではなく、様々な外的要因に影響されます。
したがって、暗号資産投資は情報収集や市場の動向を把握することで、リスク管理が可能な部分がある点が異なります。
知識とスキルの重要性
カジノゲームも暗号資産投資も、成功確率を上げるためには一定の知識やスキルが必要です。たとえばカジノでは、ブラックジャックやポーカーなどのテーブルゲームにおいて、確率や心理戦のスキルが勝敗に影響を与えます。また、暗号資産投資も相場の動向やブロックチェーン技術に関する知識が必要で、無計画な投資は大きな損失を招く可能性があります。
しかし、カジノゲームにおけるスキルは個々のゲームに特化しており、その結果は短期的なものです。一方、暗号資産投資では市場や技術の理解が長期的な視点で求められます。また、暗号資産投資には経済やテクノロジーのトレンドを継続的に追いかけ、情報に基づいて意思決定するスキルも問われます。
つまり、カジノでは運に依存する要素が強いのに対して、暗号資産投資は情報や知識を基にリスクを管理する要素が強いといえるでしょう。
短期的な結果と長期的な視点の重要性
カジノゲーム、暗号資産共にプレイヤーや投資家が、しばしば「FOMO」という心理に駆られることも、2つの類似点です。
FOMO（フォーモ）は、「Fear of Missing Out」の略で、「取り残されることへの恐れ」を意味しますが、例えばカジノでは、隣のプレイヤーがジャックポットを当てたのを見て、次は自分も勝てるかもしれないと思い、賭け金を増やすことケース、暗号資産市場でも、ビットコインやイーサリアムが急上昇したときに乗り遅れまいとして投資額を増やすケースがあります。
しかし、カジノではプレイヤーが勝つか負けるかは短期間で結果が出ますが、暗号資産投資は長期的な視点が求められることが多く、数日、数週間、あるいは数ヶ月単位で市場の動向を見守る必要がありますので、短期的な上昇に左右されないメンタルが問われます。
資産運用とリスク管理
カジノゲームも暗号資産投資も、より多くのメリットを創出するには両者リスク管理が大切です。具体的には、カジノでのプレイヤーは自己の予算内でゲームを行い、負けても問題のない金額でベットすることが推奨されます。同じように、暗号資産投資家も、投資額をコントロールし、資産の一部のみをリスクの高い暗号資産に割り当てるなどのリスク管理が必要です。これにより、過度な損失を避けることができるでしょう。
ただし、カジノゲームでは確立されたハウスエッジがあり、プレイヤーはそのハウスエッジを前提としてゲームを進めます。一方で暗号資産においてはハウスエッジという概念はありませんので、場合によっては投資額を全損することも考えられるため、投資銘柄の分散などカジノゲームとは異なるリスク管理が必要です。
技術的な進化
カジノゲームと暗号資産投資の他の共通点として、技術の進化による急速な環境変化が挙げられます。近年のカジノ業界では、オンラインカジノが普及し、スマートフォンやパソコンで簡単にアクセスすることが可能です。同時に、ライブカジノやVRカジノといった新しい形態のギャンブルも登場しています。
一方で、暗号資産市場もブロックチェーン技術の進化に伴い、新しい銘柄や投資手法が登場しています。このように、どちらもデジタル化が進むことで、参加者により容易にアクセスできる環境を提供しているのです。
しかし、カジノゲームの技術進化は、ゲーム体験を向上させ、より多くの参加者を引き込むことが目的です。対して暗号資産市場の技術進化は、ブロックチェーン技術を活用し、セキュリティや取引の透明性を向上させることが目的です。特に、スマートコントラクトや分散型金融（DeFi）の登場により、暗号資産投資は従来の投資手法とは大きく異なる可能性を秘めています。
規制と法的枠組み
カジノゲームと暗号資産投資は両者とも、多くの国で厳しい規制の対象となっています。カジノゲームではギャンブル依存症や犯罪防止のため、暗号資産市場ではマネーロンダリング対策や投資家保護のため、それぞれ法律や規制が整備されています。この点で、両者は社会的な監視と法的枠組みの必要性という共通点を持っているといえるでしょう。
しかし、規制の歴史と統一性という点では大きな違いが見られます。カジノゲームの規制は比較的長い歴史を持ち、国ごとに明確なルールが確立されています。たとえば、ラスベガスやマカオなどの有名なギャンブル地域では、合法的に運営されるカジノが長年にわたり存在し、その規制体系も十分に発達しています。一方、暗号資産市場の規制は比較的新しく、ある国では暗号資産取引が全面的に禁止されていますが、別の国では積極的に受け入れられているなど、国によって対応が大きく異なっているのです。
オンラインカジノは、海外の事業者がライセンスを取得し合法的に運営をしていても日本国内から接続して利用した場合は、賭博罪や常習賭博罪が適応される犯罪となります。そのため、日本国内での接続による利用は行わないようにしましょう。